《スウェーデン伝統料理》
Köttbullar
ショットブッラル
スウェーデン風ミートボール
スウェーデンといえばおそらく誰もが思い浮かべるお料理がミートボール。スウェーデン語ではKöttbullar(ショットブッラル)と呼ばれます。
kött=お肉
bullar=お団子(状のもの)
そのままミートボールという意味です。単数系ではKöttbulle(ショットブッレ)ですが、ミートボールを1つだけ…ということはまずないので料理名としては複数形のKöttbullar(ショットブッラル)となります。ソースも重要なため「Köttbullar med gräddsås(ミートボールのソース添え)」と呼ばれることも。
挽き肉を調理した料理は多くの国に存在するようで、スウェーデンにもいろいろなスタイルのハンバーグをはじめ挽き肉料理があるのですが何故ミートボールだけが有名になったのか。
そのきっかけは1775年に出版された1冊の本でした。現代でいうところのカリスマ料理研究家、Cajsa Warg(カイサ・ヴァリ_スウェーデンではKajsa Warg)の著書『若い婦人のための家事の手引き』に掲載されたミートボールが大人気となり、スウェーデン料理としての地位を確立していったそうです。この本で紹介されたのはトルコの肉詰め料理に近いものだったようですが、時代とともに現在愛されているスタイルになりました。
*原題はHjelpreda i hushållningen för unga fruntimmer
(Hjelpredaの綴りは、現代スウェーデン語では Hjälpredaとなります)
IKEAの功績もあり世界中で有名になったミートボール。ところが私自身は数年前に移住するまでスウェーデン風ミートボールを食べたことがありませんでした。
スウェーデン人である夫と出会ってから10年以上も食べなかった理由は主に「住んでいなかったから」。夫いわくミートボールは家庭料理なので
◎わざわざ日本から"旅行"に来たのにレストランで食べてもらうものではない
◎スウェーデンには他に美味しいものがたくさんある
いうことで、いざ北欧で"生活"をするまでは特に紹介しなかったのだそうです。
本場スウェーデンにおいても、大人向けの落ち着いたレストランなどではミートボールがないことも珍しくありません。行きつけのレストランである日ふとミートボール気分になった夫が注文しようとしたところ、笑顔とともに返ってきた返事は「うちでは木曜日だけね。お子様向けに。」でした。数十年通うレストランにミートボールが無いと知らなかったとは。。とはいえ"スウェーデン料理"のお店、特にガイドで紹介されるような場所であればほぼ必ずあるはずなのでご旅行の際に特に心配される必要はないかと思います。
いざ北欧での"生活"が始まってみると、やはりミートボールを食べずにはいられません。日本での「今日の夕食はハンバーグがいいな」「オムライスが食べたい」というリクエストと同じような感じでしょうか。なんとも活躍度の高いこと。せっかくならとストックホルムの有名レストラン数軒で本場の味を研究した後、夫の家族こだわりレシピで作ってみました。
結果的にとても美味しくできたミートボール。つやつやしっとり、ソースもグレイビーと分離させず味わい深く仕上げます。じゃがいもは、お店ではほとんどがマッシュポテトにするようです。夫はミートボールなら茹でじゃが派。
スウェーデンならではのこだわりポイントがたくさんのミートボール。家族のレシピをそのまま使うことは日本では難しいため(入手できない材料もあります)、日本向けのレシピを検証中です。将来アップできる状態になりましたら追加で掲載させていただきます。
ミートボール自体はもちろん、付け合わせのローロルダ(ローラーダ)・リンゴン(コケモモの砂糖漬け)やプレスグルカ(きゅうりの酢漬け_後日アップします)、ソースなど。決してお子様メニューではない、北欧ならではの思いがたくさん詰まった一品です。
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